センスとセンサー

センスって何だろう?そんなものあるんだろうか?
その言葉を思う度に、本当にコンプレックスに思ってきた言葉の一つ。

デザインの講師をして、育てる立場になってはじめて確かにセンスがある人はいるんだなあと実感させられることも多い。その子達を自分なりに分析すると仕事が丁寧で、デザイン的なバランス感覚に優れていて、要求に対して的確なキャッチボールができるなどの点で共通しているように思う。料理人の味覚のように、何かを食べた瞬間にその素材や味加減を分析し、新しい料理を考えるときに、そのデータを展開するといった能力が優れているのに違いない。

要するにセンス(sense)は、センサー(sensor)なんだと。

このことに気がついてから、センスのコンプレックスはどこかへ行ってしまった。デザインに関わることを自分なりに分類して、それらの感度を上げればセンスは自然と上がるのだ。そしてそういうつもりで学校でもデザインの種明かしをしていけば、昔の私のような人も少しは減るかもしれない。

ただセンスというのは表現するための巧さに近い。センスのある子は沢山いる。センスも大切だけど、センスが悪くても心を打つ作品をつくる子もいる。これは伝えたいことがはっきりしている作品だ。描写がヘタでも伝えたい想いが強いものは、センスを簡単に越えちゃうんだなあということも実感している。こういうのを才能と言うのかも知れない。